何度目の確定申告でしょう。
和歌山に移住して、農業を始めたときが最初の申告だとするともう27回目くらいになるのかな。
移住してゼロからの新規就農は経費ばかりがかかってほとんど収入はありませんでした。
それでも年々減価償却が少しずつ減り、農業収入も着実に増えて経営も改善していました。
移住して5年目に町議に当選し、議員報酬をもらうようになってからの申告を済ませてからの出来事でした。
税務署から呼び出しの連絡がありました。
何か数字に不備でもあったのだろうかと思いながら税務署に行きました。
そこで対応に出てきたのは当時の僕とそれほど年齢が変わらないであろう20代後半とおぼしき税務署員。
高圧的な態度で彼が口にしたのは、僕の申告そのものについての批判でした。
源泉徴収票の支給者が中辺路町となっていたので僕を町職員と思ったようです。
「公務員のくせにこんな金額の農業収入のための経費を申告するとはどういうことか」
「こんな趣味の園芸は経費として申告するべきではない」
(書いていても怒りが蘇ってくる)
最初のうちは黙って聞いていたものの「趣味の園芸」という単語を耳にした途端、堪忍袋の緒が切れました。
「はぁっ?趣味の園芸やと?」
「こっちは真剣に農業しとんねん」
「毎年確実に収支が改善していってるやろが?」
「そもそも農業を儲からへん産業にしたんは国の政治が悪いからやろ」
「国土を守るために必死で儲からへん農業をして頑張ってる農家に対して趣味の園芸とはどういうこっちゃ!」
かなりエキサイトして反論して調子に乗ってきたところで職員が「ちょっと待っててください」と言って部屋を出ていきました。
こっちはまだまだ言い足りずに戻ってきたらあれも言ってやろうこれも言ってやろうと考えていたところ、署員は部屋に入るなり
「上司に確認しました。これで受理しますのでお引取りいただいて結構です」と言って僕を追い返そうとします。
僕は、声が大きい者や文句を言う者の無理が通るのは嫌なので、きちんと納得した上で受理してほしくてその旨を主張しましたが、署員は「もうお引取りいただいて結構です」の一点張り。
仕方なく相談室を出て、帰路につきましたが怒りが収まらない感じでした。
その後、市議になって農業をやめるまで農業経費(繁殖牛・養鶏・ピーマンなど)の申告をしていましたが二度と呼び出しを受けることはありませんでした。
確定申告をするたびに思い出す出来事ですが、今回の確定申告はあのときと同じくらいの憤りを感じる申告です。
税務署の職員に罪はないけれど、わざわざ何時間もかけて帳簿を整理し一生懸命申告書を記載して不備のないように申告の作業をするのが本当にバカバカしく思えます。
安倍さんの時からこの国は本当に無茶苦茶になってしまったけれど、それが本当に極限まで来ていると感じます。
1日も早く少しでもマシな政治に変えなければと強く思います。